大判の綿の縞紬で作る雨傘の注文をいただきました。
昨年はこの柄で傘の張替えを受けましたが、今回は60cmのグラス骨の大判で、少し丸みのある形での雨傘を、オーダーメイドでの注文で作りました。
綿紬は少し厚手で、生地自体が少し重いのですが、今回使った傘骨は太めのグラス骨で、10mmの厚手のアルミ中棒を使った骨ですが、全体的には軽めの割に骨太のどっしりとした傘に仕上げることができました。
ハンドルは寒竹の細身のものを使って女性でも持ちやすい太さになっています。
丸みのある傘は、雨が傘にあたった後に流れ落ちるのが全体的に流れるので、コウモリ傘のように雨が当たった後にその雫が骨に沿ってだけ流れるような作りとは違っています。
まあ、最近の豪雨ではあまり雨水が傘を伝わる軌跡をつゆ先一点に絞ることは難しいですが、それをできるのは職人の腕しだいかなとは思います。
自分はまだまだ発展途上なので少しでもそれに追いつきたいと傘を作っています。
今、昔の傘の張替えが3本たまっていて、これがまたとても難しいものばかりです。
一つは、傘に当たる雨音がとても良くて長く使っていたお客様が、それが破けてなんとか再生したいという張替えの注文で、これを作った職人さんは高齢ですでに引退していて、作り方の後継者もいないようで、同じ音を出すことは職人の腕で全て違うので、自分にどんな音色が出せる傘を作れるか、悩みながら作っています。
他の2本は形見のような傘でかなり痛んでいるのですが、なんとしても張り替えて治したいということで、これも悩みながら挑んでいます。
うまく全部できたらまた一つずつ色々うんちく並べながら、ブログに載せさせていただきます。
今回の傘もお客様が初めて作るオーダーメイドの傘なので、いつまでも大事に使っていただけるよう、また自分が傘を作っている間はご相談に何でも乗りたいと思っています。